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【お隣の天使様】真昼から周へ|臆病な幸福を綴る6月18日のミッドナイトダイアリー|No5

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天使の羽を持つ少女がテディベアを抱き、花々とキャンドルに囲まれた幻想的な空間で穏やかに微笑むイラスト。 ポエム
優しい光と花々に包まれた天使の少女が、心ほどける幸福を届ける。

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M i d n i g h t   D i a r y

臆病な幸福

― ソファのうえ、0センチに満たない距離で ―

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夜の帳が、そっと窓辺に降りてきました。

6月18日。
街の灯りは遠く、時の流れも、どこか緩やかで……
 今宵もまた、隣の部屋から漏れてくる、あの人の気配だけが、私の世界のすべてです。

夕餉の器を洗い終えた指先に、まだ少しだけ温もりが残っています。
「美味しい」と、まっすぐに告げてくれた、あの低い声。
 ただ、それだけのことが、私の胸の奥で、小さな灯火のように、ずっと揺れているのです。

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──幼い日、私の手は、誰にも取られませんでした。
伸ばした指先は、いつも空を切り、やがて私は、手を伸ばすことそのものを、忘れていきました。
天使様、と、人は私を呼びました。
けれど、その仮面の下で、私はずっと、一人きりだったのです。

そんな私に、あなたは、何気なく差し出してくれましたね。
 温かいお茶のような、ありふれた優しさを。

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ソファの上、私たちの間には、ほんの数センチの距離。
肩が、触れそうで、触れない。
吐息が、届きそうで、届かない。
このもどかしさを、いつしか私は、幸福と呼ぶようになりました。

もっと、近づきたい。
けれど、一歩を踏み出せば、この夢のような時間が、音もなく崩れてしまうような気がして……
 私はまだ、臆病な小鳥のように、あなたの隣で、ただ羽を休めているだけ。

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── ずっと、隣にいるから。

あなたがくれた、その短い言葉を、私は胸の奥に、そっと仕舞っています。
夜ごと、くまのぬいぐるみを抱きしめながら、その言葉だけを、お守りのように、繰り返すのです。

いつか、必ず。
この臆病な距離を、私のほうから、ゼロにしてみせます。
あなたがくれた、たくさんの温もりに、私自身の言葉で、応えるその日まで──

――おやすみなさい。

世界でいちばん、大切なあなたへ。

今宵もどうか、穏やかな夢を。

夜空の向こうで、星が一つ、静かに瞬いています。

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